2017年12月28日 一般社団法人日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発足
糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ研究会を法人化し、一般社団法人日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会が発足、野田光彦(埼玉医科大学)が代表理事に就任。
代表理事挨拶
糖尿病は、良好な管理がなされなければ、糖尿病網膜症、腎症、神経障害を合併したり、足病変を併発したりするのみならず、心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患のリスクをその初期から高めることも知られており、さらに近年では、糖尿病が癌や鬱病、認知症や骨粗鬆症、歯周病のリスクも増加させることも明らかにされております。
糖尿病や、これに代表される、肥満、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、動脈硬化疾患、高尿酸血症や、認知症などの生活習慣病の診療・ケアや予防は、広くエビデンス(実証)に依拠して行われるべきものでありますが、わが国の現状は必ずしもそれらが十二分とはいえず、また、そのための体制整備にも、ともすれば基礎的研究面が重視されがちな現況に鑑み、不十分な点があります。
臨床研究や観察研究から得られた「生身の人間のデータ」は、直接、実際の糖尿病・生活習慣病の予防や治療に適用可能であり、今後は「人間でのデータ」がより重要となってくるでしょう。
このような、優れて現状に直結した観点から、広く糖尿病やこれに関連する生活習慣病の臨床、ケアと予防学を推進し、また、人間でのデータに基づいた、それらに資するエビデンスに依拠した医療と予防医学を創出することは喫緊の課題であり、この目的を掲げ、ここに「日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会」を発足させました。
すなわち、本学会設立の目的は、糖尿病やそれに関連した生活習慣病の研究にとっての「人間でのデータ」の重要性への関心を喚起し、この分野の研究の気運を盛り上げることであり、研究の適切な遂行と、その結果の正しい解釈に基づく予防や治療を広めることです。「人間でのデータ」に携わる研究者や臨床家の交流の場を持つことも、目的の一つです。
本研究会は、糖尿病やこれに関連する生活習慣病の臨床とケア、糖尿病を中心とする生活習慣病についての臨床研究・疫学研究、情報に基づくエビデンスの創出に携わる者が広く集い、それらの活動をさらに向上、活性化させることを目的とし、また、得られた情報の普及啓発と人事交流、若手育成をも目的といたします。
本学会は「Clinical Research」「Data Science」「Epidemiology」の3分野の研究者、医療者の集まりですが、医師・歯科医師や疫学研究者だけでなく、レギュラトリーサイエンスの関係者をはじめ、コメディカルや学生の皆さんにもぜひご参加いただければと考えています。
一般社団法人日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
代表理事 野田光彦
埼玉医科大学 内分泌・糖尿病内科 教授